バックパッカー旅行記

アメリカのハリウッドのリムジンパーティで起きたガッカリすぎる出来事

アメリカの西海岸に到着して以来最初に現地人としっかり交流したのはハリウッドだったかと思う。

サンフランシスコからハリウッドへグレイハウンドバスで入り、わりと栄えた街中にあるホステルに夕方頃チェックインした。 もちろんザリガニさんも一緒だった。

受付が韓国人の女の子で妙にアジアン同士の親近感を持ったのもつかの間、チェックインを済ませると突然チビのヘンテコなアメリカ人が話しかけてきた。

「ヘイ!アーユーチャイニーズ?」

日本人だよ。と答えた。

「オー、ジャパニーズ!ジョインアワーリムジンパーティートゥモロー!」

当時の僕は英会話はあまりできなかったので、細かいことはよく覚えていないが、何やらこの男が企画(?)するリムジンパーティーに参加しないかとのことだった。

リムジンパーティーとは、その名の通り貸しきったリムジンでハリウッドの街を走り回りながら、見知らぬ男女と飲み会をしてそのまま町の有名なクラブへ流れるというなんともチャラめなイベントであった。しかも参加費はひとりたったのUSD45ドル。

面白そうだとは思ったのだが、なんせそのイベントを斡旋してるのがこのいかにもモテなそうなチビのアメリカ人。しかも調子に乗った話し方が鼻につくからあまり好きになれなかった。

「豪華なお酒が飲み放題!」

「ここいらじゃ有名なクラブだけど俺はコネクションあるから並ばず入れるよ!」

「女の子もたくさん来るよ!アメリカ人の女の子!」

と男もゴリ推ししてくる。

いやね、女の子来るから「んじゃいくわ」ってならないんだよね。そんなことで食いつくほど単純じゃないのよ。それにまず君と英語まともに話せてないじゃん俺ら?しかもアジア人の男って白人の女の子にはまず相手にされないんだわ。それはもうアメリカに来て早一週間で気づいたわ。まぁお前も相手にされてないだろうけどな。

なんてことを僕とザリガニさんは心に描きながら男のマシンガントークを聞いていた。

とはいえ、ハリウッドまで来てザリガニさんとずっと二人でいても仕方ないし、リムジンは初体験だしってことで、あっさりと参加することに決めた。

そしてイベント当日。

リムジンの出発点はホステルの目の前だった、一応パンツとスニーカースタイルで参加したが他の参加者はなんともラフな感じ。男比率若干多めの総数7-8名ってところだった。

まぁリムジンも定員あるし、こんなもんか。と思っていた。

そしてみんなでリムジンに乗り込み楽しいパーティーが始まる…

はずだった。

気持ち悪りぃ、吐きそうだ…。

リムジンパーティー開始まもなく、小綺麗な車の内装とそれっぽいムーディーなルームライトに一同ははしゃぎながら、僕らは他州から観光で来たようなアメリカ人たちとたどたどしい英語で会話を交わしていた。

しかしその間口にしていたお酒はテキーラ、ジンのストレート。しかもそれをラッパ飲みするわ紙コップで生ぬるく飲むわで、とても美味しく飲めたもんじゃなかった。

しかも街乗のリムジンはやたら角をまがるため、その度の揺れで酔いに拍車がかかった。

全然楽しくねぇ…。というか辛ぇ…。

ゼェゼェ…

その場での僕がヘタレアジア人と化していたことはさておき、こんな人数のいるリムジンで吐き散らかしたらこのパーティーは即座に台無しになる。きっともらいゲロする人も出るだろう。

そして吐いたら最後、日本人はハリウッドに来てリムジンを嘔吐物で汚すデリカシーのないクソ野郎だという噂が全米に知れ渡ってしまう…。

僕は苦しさに悶えながら、目的地のなんちゃらクラブに到着するのをひたすら願っていた。

「イズヒーオーケイ?」

さっき知り合ったケイティという女の子が僕の様子を心配してザリガニさんに僕が大丈夫かどうかを尋ねる声が聞こえてきた。

ザ:「オーケーオーケー!ノープロブレム!」

…。

ザリガニさん、それは本当に僕がノープロプレムに見えるのか、それともそれしか英語で言えないのかどっちなんだい?一応言っておくと僕は全然大丈夫じゃないですからね。

ようやくリムジンが目的地に着いた。

僕はアメリカ人たちを押し退けるように車の外にでて、そのまま道端の植え込みに盛大に吐いた。溜め込んだ分をすべて。それこそマーライオンのように。ハデに。

アメリカ人達「あーあ。。」

とは言ってないけどたぶんそんな感じで思ってたと思う。

ハリウッドの夜、颯爽とリムジンパーティーに現れ、初対面のアメリカ人達の前でここまで見事なリバースをきめた日本人はおそらくハリウッド史上僕が初めてだったであろう。

ただ、気まずかった。

この時僕は今後のまだまだ長い旅の序盤にいた。この後もいろいろな目に遭っていくことになるのだが、このハリウッドでのリバースの件をを経て僕はひと皮むけた節もある。

目的地には着いたものの、夜はまだ長かった。

ひととおり吐ききった僕はもはやシラフであった。

イベントはまだ終わっていない。このあとはハリウッドのナイトクラブではしゃぐんだ。45ドル分は少なくとも楽しむんだ。そう思って、一旦は自分がリムジンゲロ野郎であることを忘れることにした。

同乗のアメリカ人たちもさすが自由の国の住人である。その後は誰も気にした様子もなく普通に絡んでくれる。あるいは敢えて気にしないふりをしていたのかもしれないが。

一同はリムジンから降りてナイトクラブの前に来ていた。(クラブの名前は完全に忘れてしまった。)

週末だったこともあるとは思うが、エントランスはものすごい混み様だった。入り口から長い行列が伸びていて、むやみに押し入れないようにロープまで引いて入場規制をしている。

なんだこの人だかりは…。こんなに混んでて入れるのかよ…。一緒にいたアメリカ人がエントランスのスタッフに何やら聞きに行って戻ってきた。

「どうやら今夜はパリス・ヒルトンが来るってことでみんな駆けつけてるみたいだよ!入場規制で今は男女カップルしか入れないらしい!」

パリス・ヒルトン見てみたい!とテンションが上がる一方で、この状況で僕らが男女カップルで入るって無理ゲーじゃね?って気づいた。だって横にいるのザリガニさんだし。その前にここハリウッドだし。

どうしたらよいか考えているうちに、一緒にリムジンで来た仲間たち(と思ってた)が話合わせて次々に男女セットになってエントランスに消えていった。そ、その手があったか!と思ったのもつかの間・・

僕とザリガニさんだけ残った。

僕・ザ「そんな…なんて薄情な…。」

まぁ仕方ないか。僕リムジンゲロ野郎だし。そりゃそうなるよね。ザリガニさん、僕のせいでごめん。

でも、まてよ。このリムジンパーティーを斡旋者してるあのチビアメリカンは確かこのクラブに顔が利くって言ってたな。彼の名前を出してみよう。僕はスタッフに交渉しに行った。

僕「エクスキューズミー。僕らはクリスという人から入れるって聞いて来てるんだけど…。」

スタッフ「クリスって誰?男ふたりじゃ入れないよ。」

帰ることにした。

リムジンで小一時間移動したのでえらく遠くに来たと思っていたが、実際は例のナイトクラブから出発したホステルまでは距離にして200mもなかった。リムジンはただホステルの周りをぐるぐる回ってただけだった。そんなアホみたいなリムジンに乗ってたかと思うと恥ずかしくなった。

ホステルのロビーへ戻ると、パーティー斡旋者クリスにバッタリ会った。

ク:「ヘイ、ガイズ!パーティーはどうだったかな?」

こちらがどんな目にあったのかも知らず、相変わらずの調子ぶりで聞いてきた。

僕「クラブ前まで行って入れなくて帰ったきたんだよ。よくもクラブに顔が利くだなんて言えたねキミは。」

ク:「え?なんだって?そんなハズはないよ!入れるよ!」

僕:「いや、入れなかったんだよ実際。」

ク:「絶対入れるって!マジだって!俺が一緒に言ってやるから、もう一度行こう!」

勢いがウゼェ…。

でもせっかくならヒルトンも見てみたいし、クリスもここまで言ってるし、もう一回トライするか。僕らは彼に連れられて先ほどのクラブまで再び向かった。

クラブ前は相変わらずごった返していた。クリスがロープの前線へ勇み足で向かい、何やら大声でスタッフとやりとりを交わして戻ってきた。

ク:「ごめん。無理だった。。」

僕・ザ:「うん。もういいよ。」

いるよねこういう人。日本にも。

これ以上つっこむのもかわいそうだし、ここまでは少なくともやってくれたので。

ま、僕もリムジンゲロ野郎だしね。

こうして僕らのリムジンパーティーナイトは中途半端な形で終了した。時刻はまだ21時にもなっていなかった。

クリスに礼を言って別れた。とはいえもう酔いも覚めてしまっていたので、帰り際にそこいらのバーで一杯飲んでいくことにした。

リムジンパーティーの話はここで終わり。

*次の話はこちら

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